Talend Cloudの概要
この記事では、内部Talend Cloud構造と、どのエレメントが開発および日々のオペレーションの管理に使用されるかについて説明します。
この記事は次のセクションで構成されています。
- Talend Cloudでの開発
- オペレーションTalend Cloud
- シンプルなTalend Cloudアーキテクチャー
次の図は、Talend Cloud内に存在するさまざまなエレメントとその相互関係を示しています。エレメントは、開発とオペレーションのエリアにグループ化されています。
関係は、クロウズフット表記を使用して示されています。
Talend Cloud内の開発とオペレーションのエレメントを活用することで、1つのクラウドアプリケーション内のソフトウェア開発ライフサイクルを管理できます。
Talend Cloudでの開発
Talend Cloudは、開発プロジェクトを一元的に定義・管理し、それらのプロジェクトへのアクセスを提供するエレメントで構成されています。
ユーザーがTalend Studioにログインするとこの情報が解釈され、該当するプロジェクトが使用できるようになります。次のエレメントによってこの操作が容易になります:
エレメント | 説明 |
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[User] (ユーザー) | Talend Cloudにアクセスするために作成されたメールアドレスによって識別されます。 |
ロール | ロールを定義するために権限がグループ化されます。事前定義されたロールのリストが既に存在しますが、カスタムロールの作成も可能です。Talend Cloudへのアクセスを許可するには、少なくとも1つのロールがユーザーに割り当てられている必要があります。 |
グループ | ユーザーの集まり。 |
プロジェクト | ソースリポジトリーへのアクセス権を提供します。プロジェクトへのアクセス権を与えるために、ユーザーとグループが共同作業者として割り当てられます。ユーザーのロールによってプロジェクトの権限が決まります。 注: Talend Cloud Pipeline Designerではプロジェクトを使用できません。
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次の図は、上記で説明されているエレメントを使用するTalend Cloud内のプロジェクトのコンセプトを示す例です。
ユーザーに[Operator] (オペレーター)ロールとStudioの[Integration Developer] (統合開発者)ロールが与えられ、共同作業者としてプロジェクトに追加されている場合は、プロジェクトがTalend Studioに表示されます。
Talend Cloudでの操作
Talend Cloudは、Talend StudioやTalend Cloud Pipeline Designerから公開されたアーティファクトを一元的に管理、プロセス制御、実行、プロモートするためのエレメントを提供しています。
次のエレメントによって操作が容易になります。
エレメント | 説明 |
---|---|
環境 | 環境とは、他の環境に影響を与えずに、タスクを単独で実行できるようにする、必要なリソース(接続、エンジンなど)を備えた自己完結型のスペースのことです。 |
Cloud Engine | タスクを実行するクラウド内のTalendによって管理される計算リソースのことです。Cloud Engineは環境で使用できます。 |
Remote Engine | タスクを実行するクラウド内のTalendによって管理される計算リソースのことです。Remote Engineは環境のために作成されます。 |
Remote Engineクラスター | Remote Engineはグループ化できます。クラスターは環境内にいくつでも作成できます。 注: クラスターに追加したRemote Engineを使用してTalend Studioから直接タスクを実行することはできません。
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Remote Engine Gen2 | タスクを実行するクラウド内のTalendによって管理される計算リソースのことです。Remote Engine Gen2を使用するには、デフォルト環境を使う必要があります。 |
実行プロファイル | 実行プロファイルには、それぞれのRemote Engine Gen2でパイプラインを実行するための設定が含まれており、ランタイムに実行プロファイルで使用される適切なリソースの割り当てと詳細プロパティを定義可能です。 |
ワークスペース | 選択されたユーザーが共同で作業し、実行するタスクとリソースのプレパレーションを行うことができます。ワークスペースは環境内にいくつでも作成できます。ワークスペースは、タスク、 接続、リソースの共有に使用します。事前定義された権限により、ユーザーをワークスペースに追加できます。ユーザーのロールがワークスペースに影響することはありません。グループはワークスペースに追加できません。 |
アーティファクト | Talend Studioで作成されたジョブ、ルート、データサービス、またはTalend Cloud Pipeline Designerで作成されたパイプラインで、Talend Cloudに公開されたもの。アーティファクトはワークスペースに公開されます。 |
[Connection] (接続) | 外部システムにアクセスするための事前定義されたパラメーター値のことです。接続はワークスペースで作成されます。 |
[Resource] (リソース) | ファイルとディレクトリーを保存するためのクラウドデータソースのことです。リソースはワークスペースで作成されます。 |
タスク | ワークスペースで作成され、特定の実行設定を持つアーティファクトのことです。たとえば、RemoteEngine-1で実行中のConnection-1を使ったArtifact-1などです。適切に命名されたコンテキスト変数は、タスクの設定中に適切な接続またはリソースを指定する必要があることを示します。 |
プラン | シーケンシャルステップや並列ステップの組み合わせの中に編成された、スケジュール設定済みのタスクのことです。プランはワークスペースで作成しますが、同じ環境内の他のワークスペースのタスクを参照できます。 注: プランはジョブダスクからしか作成できません。
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プロモーション | エレメントを1つの環境から別の環境にコピーするメカニズムを提供します。タスクとプランが確認されたら、プロモーションを使用してエレメントを次の論理環境に移動します。 注: パイプラインとパーソナルワークスペースをプロモートすることはできません。
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下の図は、上記で説明されているTalend Studioとエレメントを使用するTalend Cloud内の環境のコンセプトの例です。
Talend Studioを使用するシンプルなTalend Cloudアーキテクチャー
次の図は、基本的なTalend Cloud開発アーキテクチャーの概要を示すものです。
キーポイント:
- Talend Cloud内のプロジェクトがソースリポジトリーにリンクされている必要があります。
- 少なくとも1つのCloud EngineまたはRemote Engineが必要です。
次の図は、環境、テスト、本番環境によるサンプルアーキテクチャーを表しています。
キーポイント:
- どの環境でも、オペレーションの管理にTalend Cloudが使用されます。
- ソースリポジトリー(Talendプロジェクト)は開発環境にのみ関連します。
- アーティファクトは開発環境でTalend Cloudに公開済みであるため、Talend Studioが他の環境にアクセスする必要はありません。
- 各環境で少なくとも1つのCloud EngineまたはRemote Engineが必要です。
より詳細なアーキテクチャー図は、Talend Cloud入門ガイドを参照してください。
Talend Cloud Pipeline Designerを使用するシンプルなTalend Cloudアーキテクチャー
次の図は、Talend Cloud Pipeline Designerを使用する基本的なTalend Cloud開発アーキテクチャーの概要を示すものです:
キーポイント:
- パイプラインはTalend Cloud Pipeline DesignerからTalend Cloud Management Consoleに公開されます。
- パイプラインはデフォルト環境でのみ使用できます。
- Remote Engine Gen2が少なくとも1つ必要です。
より詳細なアーキテクチャー図は、Talend Cloud入門ガイドを参照してください。